初期胚と胚盤胞、どちらを選ぶ?
「初期胚移植と胚盤胞移植って、どっちの方が妊娠率(着床率)高いの?」
「胚盤胞移植って、グレードさえ高ければ、万事OKじゃないの?」
「結局、一番良い選択肢って何?」
こんにちは。男妊活です。
今回の記事は、採卵後の胚移植に向けて、みなさん一度は迷うだろう、「初期胚移植と胚盤胞移植の選択」について、実体験をもとに書いてみたいと思います。
1度目の胚移植
私たち夫婦はこれまで2度の胚移植を行ってきました。
幸い、受精卵(胚)を3つ凍結保存することができました。
内訳は、初期胚1・胚盤胞2でした。
1度目の胚移植前、クリニックの医師からはこんなことを言われました。
「どの胚を移植しますか?次回来院時までに考えてきてください」と。
ん?どの胚って?
そりゃあ、一番良い胚に決まってるでしょ!!
そこで、先生に尋ねてみました。
私:「どの胚を移植するのがベストですか?」
医師:「それでは、こちらで決めてしまって良いでしょうか?」
ネットなどで、色々調べましたが、情報が溢れすぎていて良くわからなかったので、その道のプロである医師にお願いしました。
(クリニックによっては、患者側に選択権がないところもあるようです。)
その結果、胚盤胞の中でもグレードの高いものを選ぶことになりました。
胚移植後、クリニック卒業の3つの壁
ここで、胚移植後の流れを確認していきたいと思います。
大まかな流れは3つあります。
- 妊娠判定
- 胎嚢確認
- 心拍確認
胚移植後、約1~2週間後の妊娠判定で、陽性判定が出ると第一段階クリアです。
ネット上では「陽性=妖精」と比喩している表現もあります。
私は不妊治療を始めた当初、妊娠判定がでればクリニック卒業だと思っていました。卒業後は、流産の可能性と戦いながらも、なんとなく上手く進んでいくんだろうと思っていました。
しかし、前述のとおり、「胎嚢確認」と「心拍確認」が残っているんです。
話は戻りますが、
1度目の胚移植では、我々夫婦、妊娠判定をクリアしました。
医師や看護師からも「おめでとうございます!」と言っていただけました。
この時、「胎嚢確認」と「心拍確認」を残していましたが、医師らの祝福もあったため、なんだかんだこの後もスムーズに行くんだろうなと思っていました。また、そう思いたいと信じていました。
しかし、その後の結果は、以前のブログで記載したとおり、胎嚢が確認できませんでした。第二関門突破できず・・・
夫婦でめちゃくちゃ泣きました・・・
胚盤胞移植のメリット・デメリット
胚盤胞移植のメリットとデメリットを分析すると、初期胚移植との違いが見えてきます。
私の調査によると、胚盤胞移植の方が、胚盤胞なだけあって、着床率が初期胚移植の約2倍になるとのことです。
ただし、この数値にも色々とカラクリがあるようです・・・
なお、胚盤胞移植にもデメリットはあります。
一卵性の双子の発生率が高まること(その場合、母子ともにリスクが大きい)。
良好な初期胚とグレードの低い胚盤胞の比較が難しいこと。
また、全ての胚が胚盤胞まで到達してくれる保証がないということです。
胚のグレードのお話
5AAとか4CBって、聞いたことがありませんか?
以前、医師からこんなことを言われました。
「日本の不妊治療は海外に比べて遅れているんです。日本では、胚の状態を確認する方法が基本的に目視になっています。しかし、海外の最先端治療では、もう一段階踏み込んだ治療ができるので、胚の状態をより詳しく確認できるんです。」と。
(あくまでも、一医師の見解です。)
要するに、あくまでも胚のグレードは目安にしかならないとのことなんです。
とはいうものの、グレードって、すごく気になるんですよね~。
ドラフトで胚の選択を考えてみた
ここでは、どの胚を選択するかについて、私の大好きなプロ野球を例にして考えてみました。
プロ野球界では「ドラフト」という制度があります。
プロ野球志望届を提出した選手の中から、各球団が欲しい選手を順番に選択していくというものです。
ドラフト1位とは、1番目に選択された選手です。要は、その球団が最も欲しい、最も期待している選手ということになります。
では、ドラフト4位の選手は微妙な選手なのでしょうか?
それが、そんなことは全くありません。
ドラフト1位で活躍しないまま引退する選手もいれば、ドラフト4位で大活躍する選手もたくさんいます。
例えば、誰もが知っているスーパースターのイチロー選手は、ドラフト4位で指名されましたが、メジャーリーグでも活躍する超一流選手となりました。
要するに、初期胚と胚盤胞、又は、胚盤胞の中でのグレードの違いは、あくまでも目安。
どの胚が着床し、スクスク成長し、健康な子供として生まれてくるかは、胚の選択時点では分からないのです。
胚移植に際し、初期胚や4CBの胚盤胞を選択しても、5AAのグレードの高い胚盤胞よりも、その後の結果が良い可能性が十分にあるという訳です。
担当医師に聞いたのですが、5AAのグレードでも、着床しない時もあれば、生まれた後に、障害が残ってしまう子もいるのです。とても辛い話ですが・・・
胚選択に関して、こんな風に考えてみては?~男妊活からの提案!~
妊娠率・着床率は、確率の話です。現代の医療では、100%着床する保証はないのです。
病院によっては、グレードごとの妊娠率を発表しているところもあるようです。
でもその数字って、分母の数によって大きく変わると思うんです。
例えば、2人の胚移植を調査して、1人しか妊娠しなかったら、妊娠確率は50%。
でも、1000人調査して、500人妊娠した場合も、妊娠確率は50%。
要するに、確率はあくまでも確率。
夫婦でよく話し合い、信用できる医師と相談し、その時、最もベストだと思う判断をすれば良いんです。
あとは信じるだけ。
だって、信じるしかできないから。
2度目の胚移植
私たち夫婦は、2度目の胚移植で「初期胚」を選択しました。
胚の選択に関しては、2人の医師に相談しました。
その際、一人の医師から、「この初期胚はけっこう良さそうですね。今回は初期胚でチャレンジするのもありだと思います。」と言っていただきました。
なんとなく、夫婦の中でも、初期胚移植もありかなと思っていたので、先生の後押しを受けて、初期胚を選択しました。
その結果、妊娠判定を無事クリアし、その後、胎嚢も確認することができました。
胎嚢が確認できたことを医師から告げられた時、前回ダメだったからか、最初は「本当に?」と半信半疑の気持ちになり、素直に喜べませんでした。
それに、まだ心拍確認が残っているため、変に喜んだら、後で心のダメージがでかくなるし、喜ばないようにしようと思っていました。
しかし、気が付くと私は、クリニックのトイレで静かに泣いていました・・・。
クリニックの帰り道、私は、妻と喜びの握手を交わしながら、帰宅したことをよく覚えています。
まとめ
結局、初期胚移植と胚盤胞移植、そしてグレード。どれを選択するのが最良かは一概に分かりません。
私たち夫婦の場合、2番目に選択したもので、1回目よりも前に進むことができました。
みなさん、悩まれるところかもしれませんが、この記事が、少しでも前向きに考えられる手助けになれば良いと思っています。
みなさんがいつも笑顔でいられるように祈っています♬